ばきりノす、ガッキーがChimidoroにインタビューしてみました☆

なかなかにロングインタビューですが、企画の告知動画でBGMで使わせてもらっているchimidoro、気になって仕方ないって人、何だあの曲は?って人、
これを読んでさらにchimidoroの事、気になっちゃって下さい!
→nakayoshi groupのインタビューはこちら。




*第1回目 チミドロの成り立ち
*第2回目 チミドロメンバー増員のわけ
*第3回目 チミドロの歌詞観
*第4回目 チミドロとばきりノすについて
*第5回目 チミドロにとってのくだらなさとメッセージ

** 第3回目 チミドロの歌詞観
ガキ(以下G) / スズキナオ(以下S) / イッチー(以下I )



-G:歌詞観。言葉について。聞かせてください。言葉の意味というよりは、言葉の響きや心地よさを追求しているのかなぁとおもったんですが。

S:そうっすね。それは、でも、さっきも言ったようにテクノのボイスサンプルやシカゴハウスとかを自分たちが聞いてても意味なんか分かんない。ほんとの意味を聞いたら、下品でシットとかファックとかビッチとか言ってて、そこに共感しているんじゃなくて、音の汚い響きとか、ひょうきんな響きにおもしろさを感じてたわけで。そもそも英語だから意味なんて分かんないし。だから同じように、おもしろい響きがあればそれでいいっていう風に考えてたけど、最近はちょっと違うかな。

:うん、最近は違うね。




-G:「ただの錯覚」っていう曲とかもそうだけど、意味があって、物語性がある曲が出てきたように思って、そちらの方向へ変換してきているのかなぁなんですが。

S:結構まじめなテクノばっかり聴いてたから、その反発として無意味なものもちろん電気グループとかも大好きなんすけど、ああいうふざけた感じがいいと思っていたけど、最近は、無意味だからいいとかという感じでもないなっつーか。だから、その中間ぐらいになれば…。意味っぽい、意味がふんわり伝わりながら、響きが心地よいみたいな、なれば一番いいかな。

:なおくんはトラックメイカーなんですけど、やっぱリリック、歌詞を書く方に意味があるポジションなのかなって。

S:そうですね、全然ちゃんと出来てないんすけど。でも、今、曲作るより、歌詞考える方が時間かかるようになってきている。それは、頭の中で、いろんな言葉をあてはめて、ちょうど気持ちよく、そして意味が自分の思う気持ちいい流れになってるというのをずっと探していくとすっごい時間かかっていることはいろいろあるかな。

:多分、今はおもしろくなってきている時期なんだと思うんすよ。僕、逆に言葉のフレーズが曲を作っていると一切思いつかなくて、それをなお君に、こんなフレーズがこんな曲が出来たから、どんなの乗っけられるのっていうことと、その反応が早いんですよ。リリックの返しが早くてすごいおもしろい。そこは、ほんと才能なんだと思う。

G:ツイッターのつぶやきを見ていても、くだらないこともあるんだけど、あまり誰も言わないようなことをうまくおもしろみがあるように言うというか、哀愁が漂うような感じで言うというか。

S:うれしいっす。で、最近うれしいのは花井さんやイッチーが曲を作ってくれてたりとかしてて、ずっと一人で作っていたけど、ずっとこういうのもやりたくて、そこにメロディや歌詞をつけるっていうのが、とりあえず出来始めてておもしろいなっと思っております。



- G:歌詞が先なのか。トラックが先ですか?


S:両方あってどちらもおもしろいですが、歌詞が先っていうのはあんまりないかも。トラックがあってそこに音を当てはめるかな。

:フランスに行ったじゃないですか、その行きの飛行機でなお君はずっとこう思いを綴っているというか、書いていて、まぁ、汚っない字ですが(笑)

S:よく覚えてんな。あぁ、とりあえず日記を書いてたかな。

:降りたときにもずっと書いてて、気がついたら、また書いてた。この人はほんと詩を書く人なんだなぁって思った。

S:でもね、フランスに行ったんすけど、それは言葉の意味にあまりこだわってなかったからかも。意味を求めすぎると意味が分かる人にしか分かんないってなっちゃうかもっていう葛藤はあるけど。

G:でも、そこは、ばきりノすは逆かもしれない。日本人でも意味がわかんないと思うんだけど、うちらはひとつひとつの曲に思いがありすぎて、日本人の人とか特に重たいとか怖い、暗いとかいうイメージを持たれやすい。ただ外国の人は、私たちが何を言ってるかわかんないけど感情を感じ取ってくれる部分もあって。

S:でもさ、メッセージみたいなのがあって、それを言いたいってわけでもないんじゃないですか。

G:うーん、どうなんやろ。難しいのが、思いを入れすぎるとうるさくなるし無頓着になると軽くなるし、最近は何かこうかな~で止まってる部分もある。

:結構、ばきりノすの映像を見ていると、すごく照明や場所にすごく影響をうけるんじゃないかって。そこを自分たちでちゃんと選ぶことで自分たちの価値観がすごく左右されるよね。

S:暗ーく思えもするし、フラットにも出来るし。

:この前、フランクが撮った日本の人たちが出てたばきりの映像、あれってすごくフラットでクールな感じ。言葉がなくても伝わるよって感じなんだけどこれって固まりすぎるとまた違うんだろなって。

G:うん、ほんと左右されるから、自分たちのために、自分たちを守るためなのかな、以前よりはちゃんと選んでいる。

:洒落た場所でやると洒落て見えるし、ダークな場所でやるとダークに見えるし。おもしろいし、そこまで周りの環境に左右されるアーティストも逆に少ないんじゃないかって。おもしろいなぁとは思ったんですよね。



- G:地に足がついていない、どこか浮遊感のあるような歌詞観があるように思えます、なおさんにとってリアル、リアルじゃないものってなんですか。
(「ただの錯覚」とか「迷子」とか)


S
:好みなんですけど、例えば、ツイッターとか普通に今やってるけど、時代にあまり近づきたくないっていうのはちょっとある。インターネットでなんかしてるぜっていうことが生活の中ではリアルなんだけど、それは歌詞にしたくない。現実逃避があるのかもしれないけど、例えば迷子になるっていうのは普遍的じゃないですか。どこの時代にも通じてて。今だからっていうことだけにしたくないっていうか。でも、今日ライブでやる「ゲットー酒場」って曲では西友でラーメンが安くなってたから買ったみたいな話とかしてて。

G:それは日常的で普遍的に感じられます。

:思いが強くない日常の部分を削ぎ取るような。

S:だから、例えば、震災があったていうのは絶対歌詞に織り込みたくなくて織り込みたくないのに、どうしても感じるっていうのがほんとなのかなって。

G:今、生きてるから、今の感覚は投影されるんだけど、あえてそれを全面に出すのではなくて、後ろらへんで漂ってて、日常的で普遍的なことを出してるみたいな。

S:だから、今、この時代に生きてるとか、こういうニュースがあったってことをみんな知ってて、それは自分の中に全部入ってくるんだけど、ミキサーにかけられて、結局上澄みの部分を歌詞にしてゆくと、一応、底にはそういう背景があるけど、結局は関係のないことが歌われているみたいな。特に今のことを何かしたいとかはないっすね。つげ義春みたいに、浮世離れしたい。普段は仕事がめんどくさくて嫌で。いましろたかしが大好きで、オシリペンペンズがいましろたかしと一緒にイベントやっててほんとうらやましいな。俺もみんなと友達になりたいなって。ははは。



第4回目 チミドロとばきりノすについて に続く





   
     


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